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高野 誠; 新藤 隆一; 山下 清信; 沢 和弘
JAERI-M 87-059, 57 Pages, 1987/05
チェルノブイル原子炉事故に関する動特性解析を3次元炉心核熱動特性解析コ-ドCOMICにより実施した。使用したCOMICコ-ドは元来六角形状ブロックで構成される高温ガス炉の炉心核熱動特性を解析する目的で開発したものであり、本事故の解析を行なう為冷却材としてヘリウムの他に軽水も取り扱える様にする等の改造を行なった。解析は主に炉心内の出力分布と動特性との関連に注目して行ない、全炉心を3次元形状でモデル化した場合と炉心内の1制御棒チャンネルとその周辺の6燃料チャンネルからなるス-パ-セルモデルの場合について取り扱っている。解析の結果、炉心全体で見たボイド反応度添加速度が炉心の出力分布や流量分布に依存する事が示され、そのため、これらの分布が異常出力上昇に関するピ-ク値や発生時刻にも影響を及ぼす可能性のある事が示された。
早田 邦久; 原子力安全調査専門委員会
日本原子力学会誌, 28(9), p.812 - 818, 1986/00
ソ連のチェルノブイリ原子力発電所で発生した事故は炉心損傷の規模からみても、環境へ放出されたFPの量と影響を受けた地域の広さからみても、原子力発電の歴史上最悪の事故であった。事故を起したチェルノブイリ原子力発電所の原子炉は、ソ連独特の圧力管チャンネル方式の黒鉛減速沸騰水型原子炉(RBMK)であり、構造・設計・思想共に日本を含め西側の原子炉とは大きく異なった原子炉である。しかしながら、今後の原子力安全性を論じるにあたっては、TMI-2事故を避けて通れなかったと同様に、炉型が異なるとはいえ、チェルノブイリ原子力発電所事故を避けて通ることはできない。そのためには、まずRBMK炉について理解し、チェルノブイリ原子力発電所事故を分析することが必要である。本稿は、RBMK炉に関する技術資料についてまとめたものである。